【SDカード】規格やスペック項目について分かりやすく解説!

この記事では、SDカードやマイクロSDカードの「規格」や、製品に表記されている「スペック項目」について分かりやすく解説しています。

何を基準に選べば良いのか分からない方、SDカードについて詳しく知りたい方は、ここに書いてあることを参考にしてみて下さい。

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【SDカード】規格/スペック項目について解説

ファイルシステム

SDカードの種類 SD SDHC SDXC SDUC
容量 128MB~2GB 2GB~32GB 32GB~2TB 2TB~128TB
ファイルシステム FAT 12,16 FAT 32 exFAT exFAT

それぞれの機器(パソコン等)には、使える「ファイルシステム」が決まっており、当然、対応していないファイルシステムのSDカードが使えません。

ただ、SDカードを初期化する時にファイルシステムが変更できるため、実際には、容量だけで選んでも問題が発生することは無いです。

現在普及しているのは「SDXC」となっており、他のSDカードと比べて「コスパ」も一番優れている製品となっています。

 

・SDカードの互換性

SDカードの種類 SDカード SDHCカード SDXCカード SDUCカード
SD対応機器 × × ×
SDHC対応機器 × ×
SDXC対応機器 ×
SDUC対応機器

SDカードは、下位互換には対応しているものの、上位互換には対応していません。

 

容量

SDカード製品に表記されている「表記容量」は、実際に使える「実容量」と異なる性質を持っています

これは、SDカードを使える様にするため、一部の領域を使用する必要があるからです。

パソコンやゲーム機等で使える容量が少なくなっている…となりますが、不良品である訳では無いので安心して下さい。

表記容量 使用可能領域
16GB 約14.4GB
32GB 約28.8GB
64GB 約57.6GB
128GB 約116GB
200GB 約183GB
256GB 約238GB
400GB 約367GB

マイクロSDカード毎によって、実際に使える容量には誤差があるので、大体の目安として上記の表を参考にして下さい。

 

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転送速度

転送速度には「読込速度」と「書込速度」の2種類があります。

 

【読込速度】

「SDカード」⇒「パソコン等」にデータを転送する速度を示しているのが『読込速度』になります。

下記に当てはまる場合に影響するスペック項目です。

  • ロード時間
  • SDカード⇒別機器(パソコン等)へのデータ転送

いくら"書込"速度が速くても、上記の転送速度には影響しません。

 

【書込速度】

「パソコン等」⇒「SDカード」にデータを転送する速度を示しているのが『書込速度』になります。

下記に当てはまる場合に影響するスペック項目です。

  • ダウンロード時間
  • 別機器(パソコン等)⇒SDカードへのデータ転送

いくら"読込"速度が速くても、上記の転送速度には影響しません。

 

スピードクラス

スピードクラスとは「連続したデータの『読込』と『書込』をする時に保証されている最低速度を示しているもの」です。

例えば、映像を再生する時に「読込速度=10MB/秒」が必要だった場合、半分の速度「5MB/秒」しか出せないと、単純に再生速度が「1/2倍速」になってしまいます。

例えば、映像を録画する時に「書込速度=10MB/秒」が必要だった場合、半分の速度「5MB/秒」しか出せないと、録画されるフレーム数が「半分」になってしまいます。

この様な「データの劣化」を防ぐためには、常に、求められる転送速度「10MB/秒」を超えている製品を使わなければいけません。

こう言った場合、SDカードを選ぶ時は『スピードクラス』を見て選べば、最適なものが簡単に選べます。

ちなみに、転送速度だけを求めている方は「上位スピードクラス」=「転送速度が速い」と言う訳では無いので、スピードクラスで選ばない方が良いです。

 

・3種類のスピードクラス

クラス名 製品表記 現存クラス
SDスピードクラス C C2/C4/C6/C10
UHSスピードクラス U U1/U3
ビデオスピードクラス V V6/V10/V30/V60/V90

現在作られているSDカード/マイクロSDカードの「スピードクラス」には3種類あります。

機器によっては、対応クラスが「V」のみだったり「U」のみだったりする場合があるため、最初に確認してから購入しましょう。

対応クラスが分からない…と言う場合は、全クラスに対応している製品もあるので、それらの中から選ぶのが無難です。

関連記事:【SDカード】スピードクラスとは?最低保証速度表!

 

アプリケーションパフォーマンスクラス(Aクラス)

簡単に説明すると、アプリケーションパフォーマンスクラス(Aクラス)とは「スマホアプリ等のデータ処理が得意である証」です。

実は、普通のマイクロSDカードは「小さなデータ処理が苦手」なので、スマホ等での使用には適していません。

そこで、スマホでも快適に使用できる様に、新たに「Aクラス」が策定されました。

勘違いしてしまいやすいと思いますが、Aクラスは「スピードクラスとは異なる性能」を保障するために作られた規格です。

主な違いについては、下記にまとめておきました。

Aクラス スピードクラス
用途 スマホアプリ等のデータ編集/更新 リアルタイムデータの記録
最低保証速度 ランダムリード
ランダムライト
データ転送速度
特徴 小さなデータ転送が得意 大きなデータ転送が得意
ストレージ 内部ストレージ 外部ストレージ

関連記事:【SDカード】アプリケーションパフォーマンスクラス(Aクラス)とは?

 

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バスインターフェース(バスIF)

バスインターフェース 最大転送速度
SD-BUS 25MB/s
UHS-Ⅰ 104MB/s
UHS-Ⅱ 312MB/s
UHS-Ⅲ 624MB/s
SD Express 985MB/s

バスインターフェース(読込方法)には大きく別けて5種類あり、これによって最大転送速度が大きく変わります。

現在は「UHS-Ⅰ」に対応している製品が普及しており、わずかに「UHS-Ⅱ」の製品が出回っている状態です。

「UHS-Ⅲ」と「SD Express」に関しては、おそらく、販売自体がされていません。

※紛らわしいかもしれませんが、スピードクラスのUHSは「最低保証速度」を示しており、バスインターフェイスのUHSは「対応読込方法」を示しているものです。

 

・バスインターフェースの仕様

例えば「SDカード=UHS-Ⅱ対応」だったとしても「使用機器側=UHS-Ⅰ対応」だった場合、低速側の「UHS-Ⅰ」で読み込まれることになります。

この様に、片方だけが対応していても意味がありません。

関連記事:【SDカード】バスインターフェースとは?バスモード毎の転送速度一覧表!

 

搭載チップ(NAND)の種類

チップ構造 容量面積
通常型 縦×横
3D NAND型 縦×横×高さ

通常型チップは「表面積」を増やすことによって、3D NAND型チップは「体積」を増やすことによって保存容量を大きくしています。

SDカードは大きさが統一されているため、チップに使用できる表面積も制限されていましたが、3D型チップの登場により縦方向の空間を有効活用できる様になりました。

これにより大容量化が大きく進みました。

 

・搭載チップ(NAND)の記録方式

SDカードの製品寿命は「搭載されているチップ(NAND)の記録方式」によって大まかに決まります。

記録方式 書き換え可能回数(寿命) 価格 信頼性
通常型 3D NAND型
SLC 10万回 - 高額 抜群
MLC 1万回 - 高め 高い
TLC 1000回 3000~5000回 安め 普通
QLC - 300~1000回 安い 低い
  • SLCは「使用回数に制限がある1部屋を1人」
  • MLCは「使用回数に制限がある1部屋を2人」
  • TLCは「使用回数に制限がある1部屋を3人」
  • QLCは「使用回数に制限がある1部屋を4人」で使っているみたいなもの

凄く簡単に説明すると、MLC/TLC/QLC方式は、1部屋を使う人数を増やして「寿命を削る」代わりに「コストを下げたもの」です。

ただ、SDカードに保存できる回数自体が膨大であるため、基本的に影響が出ることはありません。

一般的な用途であれば、搭載チップを考えた方が良いのは「ドライブレコーダー」や「監視カメラ」等、常時、データ記録(録画等)を行う機器ぐらいです。

これらに関しては、MLC方式を採用している製品の方が「寿命が長い」上に「エラー率も低い」ため、信頼性が高くて安心できます。

それ以外の機器で使用するのであれば、高耐久チップ(MLC)を選んでも出費が多くなるだけで意味があまり無いです。

関連記事:NAND型フラッシュメモリー製品の寿命について!「書込可能回数」や「耐久年数」の目安まとめ!

 

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